新型コロナウィルスからの教訓
住職 榎木境道   宗祖日蓮大聖人御聖誕を目睫に控えた本年、私たちは年明け早々から一大事を迎えることになりました。  中国武漢では、すでに昨年末頃から新型コロナウィルスの感染が始まり、年が明けると、現地に滞在する日本人が政府の仕立てた特別機で帰国、同じ頃、クルーズ船ダイアモンド・プリンセス号...
刹那主義と諦め
住職 榎木境道  現代は「刹那主義」で生きる人が多い世の中のようです。その時々で生き方を決めていくとでも言いましょうか。三世に亘っての因果を説く仏法とは対極にある生き方です。  「刹那」とは本来は仏教用語で、一弾指の六十五分の一という瞬時をいい、あるいは劫の反対語、また一念の念(今の心)と同...
肉親の死を考える
住職 榎木境道  身近な方が臨終を迎えた時、あなたはどのようにしてお送りしますか?  近年の日本は合理的なものの考え方が世の中に浸透して、人の死でさえ単純に考えてしまう傾向があるようです。ある世間的に著名な人物が「人は死ねばゴミになる」と題する本を出しました。するとその言葉が一人歩きして、世...
「御入滅」について
住職 榎木境道  日蓮大聖人は1281(弘安五)年10月13日、武蔵の国(現東京都)の檀越池上右衛門大夫えもんたいふ宗仲むねなかの館において御入滅遊ばされました。御歳六一歳。この時にわかに大地が震動し、池上邸の庭先にあった桜の木が、一斉に時ならぬ花を付けたと伝えられています。  仏様の死を入...
回小向大のこと
住職 榎木境道   良く知られているように盂蘭盆の起こりは、目連尊者が餓鬼道に堕ちた母、青提女しょうだいじょを救おうと、発心したことに始まります。  餓鬼道に堕ちて苦しむ母は、一体どのようにしたら救えるのであろう、と悩んだのが神通力第一と言われた目連です。自分の力ではどうにもできないこと...
宇宙の実相と法華経の信心
住職 榎木境道  源頼朝が鎌倉幕府を開いた時代、京都に歌人藤原定家(1162~1241)が活躍、日記風のエッセイ集『名月記』を半世紀にわたって書き連ねています。記事の中でも注目されるのが超新星の出現記録。超新星とは太陽のような恒星が最後を迎える時に突如として輝きを増し、最後は大爆発を起こして消...
天璋院篤姫と本宗の信仰
住職 榎木境道  平成30年のNHK大河ドラマ「西郷せごどん」では、島津藩主斉彬なりあきらを渡辺謙が演じ、その養女として一三代将軍家定の御台みだい(正室)となった天璋院篤姫てんしょういんあつひめも登場しました。この二人が本宗の信心をしていたことは余り知られていません。宗門には五一世日英上人によ...
此の一凶を禁ぜんには
住職 榎木境道  国会で審議する時間を最大限吸収し、安倍総理へ飛ぶ火の粉を防ぐことだけが目的としか見えない、今国会末期の荒れ模様。文科省と内閣府を巻き込んで、恥も外聞も無い姿を国民の前にさらしました。とりわけ木で鼻を括ったような答弁の菅官房長官の狡猾さは、国民の記憶からそう簡単に消えることはな...
夢中の蝶
住職 榎木境道  我が国の経済状況について、私は素人でしかありませんが、国家としての借財が先進国最大の一千兆円を超えてしまったということです。国民一人ひとりに割り振れば、八百数十万円にもなるというのです。  これを聞いただけで暗い気持ちになるのは、私だけではないでしょう。近いうちにギリシャの...
「毒」のはなし
住職 榎木境道   秋はキノコ狩りの季節、でも地域によってはクマに襲われる事件が最近はとみに多いようです。  私は小学校六年の時に得度をして、大坊生活では富士山麓のキノコ狩りに連れていってもらったのを覚えています。何という名のキノコか知らないが、皆でたくさん採ってきて、翌朝味噌汁に仕立て...
日本語の危機は仏法の危機
住職 榎木境道  外国人の出入りの多いのが鎌倉で、また近年の護国寺です。必然的に我が英語力のなさをなげくはめになっています。  ところで世の中でも、文科省の方針として、2020年から小学五・六年生の正式な教科として、英語を取り入れていくそうです。さらに大学入試はもとより、大学の講座も次第に、...
餓鬼のはなし
住職 榎木境道  今年も盂蘭盆の時期を迎えています。  盂蘭盆の起源は、目連尊者が母青提女しょうだいにょの、餓鬼道に堕ちて苦しむ姿を見て、何とか救ってあげたいと発心するところから始まります。  青提女の堕ちた餓鬼道というのは、我々人間界よりずっと下にある世界と言われています。目連のような神...